ユビキチン非依存性プロテオリシスを誘導することで知られるアンチザイムは、歴史的にその標的としてオルニシンカルボキシラーゼ(以下ODCと略す)のみが知られ、分解誘導メカニズムが研究されてきた。しかしながらごく近年我々の研究も含め、アンチザイムをメディエーターとしたユビキチン非依存性プロテオリシスがODC分解以外にも広範な細胞機能制御に関わる可能性を示唆するデータが報告されている。そこで私はアンチザイムの新しいターゲットを探索することを目的とし、アンチザイムをベイトとしてYeast two-hybrid screenを行った。報告者は23kDを産生する2番目のATGからのアンチザイム全長および、C末110アミノ酸をコードする配列をbaitとしてpLexAベクターおよびp8op-lacZベクターに組み込み、EGY48酵母株に形質転換し、組み込んだベイトタンパクが酵母において発現していることをLexAモノクローナル抗体を用いてウエスタンブロッティングにより確認した。その後種々の濃度の3ATを含有したSDプレートにベイトを形質転換した酵母を蒔き、酵母の生育しない至適3AT濃度を同定した。実際のスクリーニングにはpB42ADベクターに組み込んだP0からP4ステージのマウスcDNAライブラリーを使用した。出現したコロニーの多くはβガラクトシダーゼ活性を示したが、再度トランスフォーメーションしたとき消失したクローンも多く、また再現性のあったクローンの重なりは少なく、シークエンスの結果、特異的な相互作用であると考えられるものも少なかった。現在、C末をさらにいくつかに分けてbaitとしスクリーニングを行うとともに、可能性のあるクローンについて培養細胞にてアンチザイムとの相互作用を確認している。
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