研究概要 |
1 テロメア四重鎖DNAとの結合性の解析 A 可視吸収の測定 合成したポルフィリンを100mMの塩化カリウムを含んだバッファーに溶解させ、そこにアニーリングして四重鎖構造をとらせた5'-(TTAGGG)_4-3'一本鎖DNAを徐々に加え、可視吸収の変化を測定した。しかしながら平衡が1段階ではなかったため、結合定数をえることができなかった。 B 融解温度の測定 四重鎖構造をとらせた5'-(TTAGGG)_4-3'一本鎖DNAにポルフィリンを添加し、昇温しながら260nm又は295nmの吸光度、及びCDを測定した。その融解温度曲線からポルフィリン添加前後での融解温度差(ΔTm)を求めたところ、25℃であった。 C 結合様式の解析 四重鎖構造をとらせた5'-(TTAGGG)_4-3'一本鎖DNAにポルフィリンを添加し誘起CDを測定した。その波形からその四重鎖DNAへの結合様式はスタッキングとグルーブ結合であることが示唆された。 2 テロメラーゼ活性阻害濃度の算出 A テロメラーゼの調製 A549細胞のcell pelletに冷却したCHAPS lysis bufferを加え氷上で30分間インキュベート後、12,000rpm,5℃,20分間遠心し、上清画分をテロメラーゼ酵素源とした。 B TRAP法によるテロメラーゼ活性阻害の測定 TRAP_<EZE>テロメラーゼ活性検出キットを用いた。PCRチューブにTRAP buffer、dNTP、TS primer、Taqポリメラーゼ、ポルフィリン及びテロメラーゼを加えPCR反応終了後ゲル電気泳動を行い染色後、テロメアDNAを定量しポルフィリンのテロメラーゼ阻害濃度を求めたところ、申請者が合成した新規ポルフィリンはリード化合物であるTMPyPと比べその阻害濃度が変わらず、TMPyPと同等の阻害活性を示した。
|