1.アポトーシス活性をもつモノマー型ハイブリッド体の合成 RGD配列はアポトーシス実行過程で重要な役割を果たすcaspase 3に対する直接の活性化作用を有している。そこで、アポトーシス活性を有するRGDとPEGとのハイブリッド体としてRGD配列のみのPEG-ROD、ROD-PEG、さらに活性の高い配列GRGDNPをもつGRGDNP-PEG、PEG-GRGDNPをデザイン、合成した。これらのハイブリッド体は、正常細胞(胸腺細胞)においてアポトーシス活性を示さなかった。現在、腫瘍細胞(K562)でのアポトーシス活性を測定中である。 2.アポトーシス活性をもつ多分子型のハイブリッド体の合成 また、アポトーシス活性を有するRGDを多数もつ多分子型のハイブリッド体の合成も行った。2分子型として(RGD)_2-PEGと(GRGDNP)_2-PEG、4分子型として(RGD)_4-PEGと(GRGDNPβA)_4-PEGをデザインし合成を行った。テトラマー(GRGDNPβA)_4-PEGのβAはスペーサーとして導入した。PEGの分子量サイズは3000から4000のものを選択した。合成はこれまでに確立したハイブリッド体の固相合成法を用いて行い、いずれも収率よく得ることができた。アミノ酸分析、ToF-MSを用いて確認同定した。 これらのハイブリッド体についても、現在、腫瘍細胞(K562)でのアポトーシス活性を測定中である。
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