研究課題
本研究の目的は、いかに少ないX線被曝で、どれだけ多くの診断情報を取り出せるかにある。ディジタルX線像着色加算処理技術は、一連のX線像に着色加算処理を施し、病変部などの経時変化のある部分のみをカラー化する技術である。これら着色加算という新しい画像処理技術をIVR検査に応用することにより、検査時間短縮および大幅な医療被曝の低減を目指した。今年度は、造影検査の連続dataをオンラインで計算機に転送しリアルタイムで着色加算を行い、病変部(血管)などの経時変化とらえるディジタルX線像着色加算処理システムを確立することを目指した。造影検査装置で発生する連続したデジタル画像データをオンラインで院内PACSに転送し、PACS端末を経由して着色加算処理を行う計算機に取り込むことができるシステムを構築した。さらに、構築したシステムを臨床応用することでIVR検査時の医療被曝の大幅な低減および検査時間の短縮の可能性について、複数の臨床症例に対して詳細に検討した。撮影条件および線量と画質(情報量)の関係を検討した結果、線量を1/2〜1/4にしても病変の検出能および診断の正確性が低下しないことがわかった。しかしながら、これまでの研究で着色加算画像を参照画像として用いると読影時間が大幅に短縮することを明らかにしたが、IVR検査における透視時間の短縮さらには検査時間全体の短縮について検討を行ったが、症例数が少なかったため、統計的に有意に時間が短縮するというデータまでは得られなかった。
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Computer Assisted Radiology and Surgery Proceedings of the 19th International Symposium and Exhibition (In press)
日本放射線技術学会誌 60・6
ページ: 829-834