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2002 年度 実績報告書

条件的不死化細胞株を用いた脳関門を制御する分子機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 14771332
研究機関東北大学

研究代表者

堀 里子  東北大学, 大学院・薬学研究科, 助手 (70313145)

キーワード脳関門 / 条件的不死化細胞株 / 共培養系 / 星状膠細胞 / 周皮細胞 / P糖蛋白 / ABCG2 / Occludin
研究概要

薬物の脳関門透過性は脳疾患薬物治療成功の鍵を握る。脳関門機能は脳関門実体である脳毛細血管内皮細胞とその周囲を覆う星状膠細胞や周皮細胞によるパラクライン作用によって制御されるがその分子機構はほとんど不明である。申請者らのグループはこれまでに脳関門を構成する脳毛細血管内皮細胞、星状膠細胞、周皮細胞の条件的不死化に成功している。本研究ではこれらの細胞共培養によるin vitro脳関門モデル系を用い、脳関門において薬物透過性を左右する分子が星状膠細胞や周皮細胞によってどのように制御されるか解明することを目的とした。その成果として、星状膠細胞と脳毛細血管内皮細胞の接触及び星状膠細胞が産生する液性因子の作用によって脳関門の排出輸送機構として重要なP糖蛋白及びABCG2トランスポーターの発現量が上昇することが明らかになった。脳関門のdiffusionバリアとして働く密着結合分子occludinの発現量は星状膠細胞及び周皮細胞が産生する液性因子によって上昇することを示した。さらに、周皮細胞由来の液性因子のうち、angiopoietin-1がoccludin発現量を上昇させること、脳毛細血管内皮細胞はangiopoietin-1受容体であるTie-2を発現していることが明らかになった。以上から、両細胞間のパラクライン分子機構の一つとして、occludin発現を制御するangiopoietin-1/Tie-2経路が同定された。本研究によって、脳を守る仕組みである脳関門異物排出機構及びdiffusionバリア機構が周囲の細胞が産生する液性因子によって維持されていることが示唆された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 大槻純男: "血液脳関門の薬物透過と排出の分子機構〜中枢支援防御システム〜"日本薬理学雑誌. 123(In press). (2003)

  • [文献書誌] 寺崎哲也: "条件的不死化脳関門細胞株を用いた脳へのDDS研究の新展開"Drug Delivery System. 18・2. 11-18 (2003)

  • [文献書誌] Nobuo Umeki: "mRNA Expression and Amino Acid Transport Characteristics of Cultured Human Brain Microvascular Endothelial Cells (hBME)"Drug Metab. Pharmacokin. 17・4. 367-373 (2002)

  • [文献書誌] 堀 里子, 大内尉義, 伊賀立二編: "膠原病、アレルギー性疾患の治療薬:疾患と治療薬-改訂第5版-"南江堂. 28 (2003)

  • [文献書誌] Tetsuya Terasaki: "Blood-brain Barrier Transport Biology and Drug Delivery to the Brain in "Advance in Biomaterials and Drug Delivery Systems"Princeton Int. Pub., Co., Taipei. 18 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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