• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2002 年度 実績報告書

全身清拭における5つの方法による生体負担についての検討

研究課題

研究課題/領域番号 14771374
研究機関佐賀医科大学

研究代表者

児玉 有子  佐賀医科大学, 医学部, 助手 (70336121)

キーワード石鹸清拭 / 蒸しタオル清拭 / 生体負担 / エネルギー代謝量 / 皮膚温 / 血圧 / 鼓膜温 / 心拍数
研究概要

【研究目的】蒸しタオル清拭および石鹸清拭における,介助方法(全介助,半介助,自力)の違いにより生じる生体負担の差を,エネルギー代謝量,皮膚温,鼓膜温,血圧,心拍数を用いて明らかにすることを目的に,平成14年度は全介助での蒸しタオル清拭および石鹸清拭について検討した.
【研究方法】健康な女子8名を対象に,蒸しタオル清拭および石鹸清拭において,実施前(安静時)から清拭終了直後(直後),および20分経過した時点(20分後)に各項目の測定を行った.清拭方法は手技を統一の上,実施者は1人に固定した.
【結果・考察】清拭の施行時間は石鹸清拭のほうが有意に長かった(t(7)=21.72,p<0.001).分散分析の結果,エネルギー代謝量,心拍数,最小血圧,および鼓膜温は清拭方法と時間の経過における主効果および交互作用は認められなかった.最大血圧は清拭方法の主効果のみ認められた(F(1,7)=10.56,p<0.05).このことは安静時データの差に起因すると考えられる.平均皮膚温は,清拭方法と経過時間の交互作用が有意であった(F(1,7)=25.43,p<0.01).多重比較の結果,蒸しタオル清拭時は安静時に比べ20分後,および直後に比べ20分後に,石鹸清拭時は直後に比べ20分後に有意な上昇がみられた(p<0.05).しかし,両清拭方法とも安静時から直後にかけては有意な変化は見られなかった.
従って,全介助での蒸しタオル清拭および石鹸清拭においては,環境気温が保たれ,対象が健常者で,手技が未熟でなければ,施行時間の長短に関係なく生体負担に差のないことが示唆された.
なお,直後から20分後にかけての平均皮膚温は,石鹸清拭時に比べ蒸しタオル清拭時が上昇していた.このことは,蒸しタオル清拭のほうが清拭実施時間が短く,皮膚表面の露出時間が短いため,身体の保温が保たれた結果生じたと推察される.

URL: 

公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi