研究課題
平成16年度は、平成15年度に実施した一地域の一人暮らし高齢者の訪問面接調査について、データを多面的に分析し、結果を公表した。調査結果の概要は以下の通りである。一人暮らし高齢者の自立した生活への支援に向けて、地域に居住する一人暮らし高齢者を対象に、3年後の生活機能の変化を明らかにし、生活機能の維持に関連する身体的、心理・精神的、社会的要因について検討するという2点を目的とした。方法として、石川県A町に居住する一人暮らし高齢者101人を対象に、2000年(紅回調査)と2003年(追跡調査)に訪問面接調査を実施した。生活機能得点の3年後の変化については、15年度に報告したとおり、一人暮らし高齢者の生活機能の低下には、年齢、社会活動に参加していないこと、友人との電話での交流が週1回未満であることが影響していた。さらに、16年度の分析では、高齢者の主観的健康感と3年後の日常生活自立度との関連について、主観的健康観が高い高齢者の方が3年後の日常生活自立度も良好な状態であった。これらの結果から、一人暮らし高齢者が、社会活動への参加や友人・近隣と交流するという行動をとることによって、生活機能の低下を予防し、自身をより健康だと考えることで日常生活自立度が維持される可能性があることが明らかになった。また、本研究の結果から、電話の利用が生活機能の維持に関連していたため、一人暮らし高齢者の主観的健康観を高めるためには、健康についての電話相談や情報提供の実施等が、今後の支援の具体的な方策の一つとなると考えられる。
すべて 2004
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Japanese Journal of Public Health 51・12
ページ: 958-968
日本公衆衛生雑誌 51・10
ページ: 736
ページ: 125