1.質問項目の作成 2002年5月より、2001年に得られた金正の質的帰納的研究結果を元に、37の質問項目を作成した。尺度タイプとしてリカート法を採用した。回答の選択肢の表現として、不確かさを認識した頻度とし、5段階の順序尺度で設定した。各項目の回答は、得点が高いほど不確かさが強いことを示すようにした。また「当てはまらない」という回答を設置した。次に2002年8月より、神経難病患者の看護を多く経験している看護師長2名、看護学教員3名に「各質問項目の内容が、不確かさの概念および不確かさの下位概念に合致しているか」という内容妥当性および「各質問項目の表現の適切さ」といった点を確認し、必要箇所に修正を加えた。さらに2002年10月より、神経難病患者11名にプレテストを実施し、回答所要時間、表現の分かりやすいか否かを確認し、必要箇所を修正し、2項目の質問項目を追加し、合計39項目を作成した。以上の過程を経たものを尺度(案)として本調査で用いることとした。また尺度開発のために基準関連妥当性として、POMS(Profile of Mood States)とMISHEL UNCERTAINTY IN ILLNESS SCALE(入院している患者用)、MISHEL UNCERTAINTY IN ILLNESS SCALE-COMMUNITY(自宅療養している患者用)を使用することとし、POMSは購入し、UNCERTAINTY IN ILLNESS SCALEは双方とも原著者・翻訳者に使用許可を得た。 2.調査実施 2002年12月末より、岡山県下の病院にて入院もしくは自宅療養をしている患者に、研究者が訪問聞き取り調査を行った。約2週間後に信頼性の検討のため同意が得られた患者に再テストを行った。現在15名の患者のデータを収集することができた。対象数が30名得られることを目標としているので、今後は香川県の病院でも調査を続行する予定である。
|