研究概要 |
1.研究の目的 日々の看護業務の中で,患者の死に立ち会うことは比較的よく起こることであり,看護師は患者の死に関して避けて通れない立場にある。しかもその患者の死が自殺によってもたらされた場合,患者家族のみならず,それに関係したスタッフにも,さまざまな心理的影響をもたらすといわれている。本研究の目的は,患者の自殺を経験した看護スタッフについて,患者の自殺を経験した後に抱える心理的負荷や,自身の心理的葛藤に対する対処行動,受けたソーシャルサポートの具体的内容などを明らかにすることである。 2.文献レビュー 国内外の文献レビューを通して,一般的属性,経験年数,施設特徴,患者の自殺に関わった経験の有無,患者の自殺に関して当事者に対するソーシャルサポート状況等の調査項目を構成中であり,これらの妥当性や,調査方法に関する再検討を行なっている。 3.調査用紙の作成ならびに調査方法の最終検討 平成14年度は,上述の文献調査と併行して,調査項目の網羅性を確認するため,看護師を対象とする面接形式の予備調査を行なった。この結果をもとに調査項目の最終検討を行ない調査用紙を完成させると共に,本テーマ特有の心理的影響を考慮した最も望ましい調査方法を確定するべく予備調査を続行している。
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