研究課題
琉球は地理的・歴史的にもアジア太平洋地域の要として位置づけられる。同地域の舞踊は手指によって多様な心象を表現するという共通の特徴があり、これまでにも手指をはじめとする上肢動作の類似性が指摘されてきた(Lomax 1972・三隅 1987他)。しかし、その特性を明らかにした研究は少ない(Kaeppler 1972〜)。琉球舞踊の上肢動作を明らかにすることは、アジア太平洋地域の舞踊文化を記録・解明する一助になるだけでなく、同地域の舞踊を比較研究する手法を提示できると考える。申請者は平成14年度より、琉球舞踊の動作単位、いわゆる「動作単元」を調査・分析し、「動作特性」Movementと関連する他の要素-「動作名称」Folk Term、「音楽譜」Notation、「演目」Repertore「わざ言語」Instructive words等-を相互に参照して表示する動作単元データベース(日英両語)の試作・試用を行ってきた。→【科研費若手(B)(H14-H16)、ACC Fellowship Grant(2002-05)】今年度は、これらの要素に、「意味特性」要素をも加味したデータベースの構築をめざし、意味論の土台となる構造分析の手法を検討した。なお「意味特性」の分析・抽出にあたってはスミソニアン研究所人類学部Dr.Kaepplerがトンガのダンスの構造分析に援用したLinguistic Methodを適用した。結果を比較舞踊学会大会で報告したほか、来夏開催されるICTM Ethnochoreology Study Groupシンポジウムにて発表する予定である(審査を受け受理された)。
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Proc. of the 24^<th> SYMPOSIUM OF THE ICTM STUDY GROUP ON ETHNOCHOREOLOGY, CLUJ (Accepted)
比較舞踊学会第16回大会プログラム
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