研究概要 |
幼児期の発達の構造について、特に運動遊びとの関連から検討を行うための尺度を作成した。尺度の作成は、幼稚園教育要領、乳幼児精神発達診断法(津守真、磯部景子,1965)、幼児のレジリエンス尺度(高辻千恵、,2002)をベースとし、幼児の心理的発達に関する各種の論文を参考とした。 作成した尺度を、福岡県(1園)、東京都(2園)、神奈川県(1園)、岩手県(1園)の各幼稚園で実施した。各幼稚園の年長児の担任に依頼し、幼稚園でのクラスの子どもの様子について回答してもらった。また、福岡県と岩手県の幼稚園では対象児の運動能力テストのデータを提供してもらった。有効回答数は253であった(回収率100%)。現在、統計ソフトプログラム(SAS)を用いて、幼児の心理的な発達の側面と運動能力、運動経験との関係について分析中である。 港区立A幼稚園において、平成14年10月〜12月にかけて幼児の自由遊び場面の観察を行った(対象年長児)。自由遊び場面における静的な遊びと運動遊びでの経験の質的な違いを明確化することを目的として分析中である。 質問紙調査から得られた幼児の発達の構造に関するデータと観察より得られた幼児の運動遊びにおける経験の特徴を総合的に解釈し、幼児期における運動遊びと心理的発達の関係を構造化したいと考えている。
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