研究概要 |
平成15年度は,昨年度に選定した調査対象地区である札幌市,オーストラリア・メルボルン大都市圏における現地調査を集中的に実施した。現地調査ではとくに土地利用の現況調査を中心に行い,加えて国勢調査をはじめとする各種の統計資料,そして都市再開発事業に関する資料等を収集した。 これらの調査の結果,キーワードとして「都市の中心性」が注目された。既存統計資料により都市の中心性の測定を進めた上で,現地調査で得られたミクロな調査結果を統合して分析を進めた。この研究では収集資料をすみやかにデータベース化してきたため,その後の分析にはデータの高い汎用性を維持できた。具体的には,この研究では地理情報システム(GIS)を随所に用いて分析を進めてきているが,単に地図表現にとどめるのではなく,情報の収集とデータベースとを効果的に関連づけたり,Web-GISによる情報公開方法を模索するなども並行して取り組んできた。 上述のように,研究の2年度目にあたる平成15年度は,データの収集とそれらの分析および公開方法の検討に主として従事したといえる。研究の最終年度にあたる平成16年度ではこれらのデータをもとにGISを用いて空間分析をさらに進めるとともに,研究の結論の取りまとめにかかる。未完了な調査についてはできるだけ早い時期(平成16年8月頃まで)に追加調査を実施して補足する。また,得られた結果の成果発表も精力的に行う予定である。具体的には,成果の一部を2004年8月に予定されている国際地理学連合(IGU)の国際会議(連合王国グラスゴーにて開催)において発表する予定である。
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