平成15年度は当初の計画通り、(1)エチオピア西南部の焼畑集落の動態と森林変化のモデル化のための作業、(2)比較の対象となる他地域における文献情報の収集・検討、の2つの方向における研究をおこなった。それぞれのおおまかな作業は以下の通りである。 1.エチオピア西南部のモデル化に関しては、GISを用いて前年度に入力したデータの分析を中心におこなった。20世紀前半〜末にいたる焼畑集落と森林面積の変化を定量的にみると同時にフィールド調査において収集した情報を検討した結果、対象地域の森林利用の変化を説明するパラメータとして、人口、技術、森林産物の経済的有用性の3つが最も重要であることが確認できた。これにもとづいてSTELLAプログラムを用いて試行的にモデルを作成し、コンピュータシミュレーションをおこなった。GISを用いた復原と分析については学会発表、論文の形で公表した。モデルについてはまだ検討の余地があり、引き続き次年度の検討課題とする。 2.他地域の比較としては、とくに類似の方向から研究資料が蓄積されている西アフリカ・ギニアサバンナ地域を集中的に調査・検討した。森林・集落の動態とその要因について、エチオピアモデルであげた3つの要因がやはり説明変数として重要であることが示唆されたが、一方西アフリカで一部の研究者によって検討されているモデルと森林動態の変遷について解釈の食い違いがあることがわかった。この異同がなぜ生じるのかについては、次年度の更なる検討課題とする。
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