調査1日本とドイツにおいて、「環境配慮行動」として具体的にどういう行動を想起しやすいか、自由想起法による調査を行った。対象者は、日独の大学生(日本66名、ドイツ40名)であった。自由記述の回答をカテゴリー化して分析した結果、日独で共通して最も回答数が多いのは3R行動であり、最も回答が少ないのは市民活動であった。また、市民活動の内容を見ると、日本では「町内での清掃活動に参加する」など地域での活動が多いのに対し、ドイツでは「環境団体に寄付をする」など地域に限らず環境団体の活動をイメージする人が多かった。日独で違いが見られた点としては、交通関連の回答はドイツの方が多く見られた。ドイツでは、交通問題が環境問題の一環として認識されていると考えられる。 調査2 調査1で挙げられた代表的な環境配慮行動について、その難易度と環境保全の効果、行動のわかりやすさを検討した。対象者は日本とドイツの大学生(日本51名、ドイツ44名)であった。省エネ、3R行動、交通、市民活動の4カテゴリー計30項目について回答を求めた。難易度については、日本の方が3R行動の難易度を高く評価していた。環境保全の効果については、省エネ、3R行動、交通の3カテゴリーについて、ドイツの方がより効果があると評価していた。わかりやすさについては、すべてのカブゴリーでドイツの方がわかりやすいとしていた。また、日独で共通して、市民活動は他の行動と比べて最も難易度が高く効果が低いと認知されていた。全体的に、ドイツの方が行動の難易度を低く、効果を高く評価する傾向があった。これらの認知の違いは、実際の行動の実行度によって生じている可能性もある。今後は、行動の実行度を測定し、その規定因を検討する予定である。
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