本年度は2点の研究を行った。その概要と結果については下記の通りである。 1)住まい手が住宅に要求する各種性能レベルを解明するための第10回調査(2003年5月) 2)住まい手が住宅に要求する各種性能レベルを解明するための第11回調査(2003年7〜12月) 1)昨年度実施した首都圏在住の30歳代既婚者のアンケート調査を分析し、これの結果を用いてさらに詳細の要因分析を行うため、追加調査を実施した。なお、この調査は前回の第9回調査時に追加調査への協力を申し出てくれた回答者に実施したものである。この調査結果より、住宅性能について居住者が誤解している内容や、重視度合を左右する要因などについて分析を行った。 2)昨年度より実施した首都圏在住の居住者を対象とした調査結果を整理したところ、住宅性能に対する意識には地域性も多く含まれていることがわかった。そこで、第11回調査として、対象地域をさらに6カ所増やして、首都圏と同様の調査を実施した。対象とした地域は、北海道・札幌市近郊、宮城県・仙台市近郊、新潟県・長岡市近郊、兵庫県・神戸市近郊、福岡県・福岡市近郊、長崎県・長崎市近郊であり、過去に地震被害をうけている地域、台風や水害をうけた地域、積雪量が多い地域など、自然災害の影響が異なる地域として選定した。なお、これらの調査も全て30歳代既婚者を対象とし、約400人程度の居住者からの協力を得た。 これらを現在集計し、整理したところであるが、来年度は最終年度でもあり、分析を深めることと、要因探求のための追加調査の実施を予定している。 なお、調査の協力者は研究の主旨に賛同できる自主的な意志のある方のみに協力を依頼し、承諾を得た回答者には謝礼として図書券を配布した。また回答は無記名とし、統計処理した結果のみを公表している。
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