平成14年度は、正常モデル(ddY)マウスおよび2型糖尿病モデル(KK-Ay)マウスを用いて、オリーブ葉抽出物であるオレウロペイン(0.2%含有飼料)を3週間連続的に与え、血糖値におよぼす影響およびその作用機序について検討を行った。 まず、ddYおよびKK-Ayマウスの血糖値におよぼす影響を検討した。結果として、オレウロペインの3週間連続投与により、ddYマウスの絶食時および摂食時血糖値とKK-Ayマウスの絶食時血糖値は、コントロール群とオレウロペイン投与群との間に有意な差異を認めなかった。それに対して、KK-Ayマウスの摂食時血糖値においては、コントロール群と比較してオレウロペイン投与群に有意な血糖値の上昇抑制作用を認めた。 この作用機序を検討するため、血漿インスリン値、インスリン負荷試験および糖負荷試験を行った。その結果、血漿インスリン値については、コントロール群と比較してオレウロペイン投与群で有意な低下を認めた。また、インスリン負荷試験においてもインスリン投与120分後にコントロール群と比較してオレウロペイン投与群に血糖値の有意な低下を認めた。さらに、糖負荷試験においても60分後にコントロール群と比較してオレウロペイン投与群で有意な血糖値の低下を認めた。 以上の結果より、オレウロペイン投与は2型糖尿病モデル(KK-Ay)マウスにおける末梢でのインスリン抵抗性を改善する可能性が示唆された。しかし、オレウロペイン含有飼料を与えた群においてコントロール群と比較し摂食量の減少傾向がみられたため、今後の課題として、摂食量に対する食餌中オレウロペイン含有量の影響および血糖値低下の作用機序についてさらに検討していきたい。
|