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2002 年度 実績報告書

ビタミン代謝の個人差と遺伝子多型

研究課題

研究課題/領域番号 14780078
研究機関女子栄養大学

研究代表者

福島 真実  女子栄養大学, 栄養学部, 助手 (30286885)

キーワードビタミン / 遺伝子多型 / 葉酸 / MTHFR / 所要量 / 総ホモシステイン
研究概要

【目的】我が国の葉酸所要量は欧米の文献を参照して定められており、人種差や個人差、生活習慣等を勘案した日本人の葉酸栄養状態に関する報告は少ない。我々は、これまでに女子大学生を対象に葉酸摂取量および血清葉酸値、総ホモシステイン(tHcy)値を調べ、更にメチレンテトラヒドロ葉酸還元酵素(MTHFR)遺伝子多型(C677T)が葉酸栄養状態に影響することを確認した。すなわち、葉酸を所要量200μg以上摂取していても、TT型をもつ者は血清葉酸値が低く、血清tHcy値は高値を示した。そこで、低濃度の葉酸を負荷し、葉酸栄養状態に及ぼす効果を葉酸代謝関連酵素の多型MTHFR C677T、A1298C、メチオニン合成酵素A2756G、還元葉酸輸送体RFC-1 G80A)ごとに検討した。
【方法】女子大生103名に葉酸200μgを総合ビタミン剤にて4週間連続で服用させ、更に4週間後、葉酸400μgを同様に服用させた。期間中は通常の食事を摂るよう指示し、服用直前と終了前の3日間、それぞれ食事調査を行った。服用前と最終日の翌朝、空腹時採血を行い、血清葉酸をケミルミACS-葉酸Hで、血清tHcyをHPLCで測定した。また、全血からDNAを抽出し、先述の遺伝子多型をPCR-RFLP法にて調べた。
【結果】血清葉酸濃度は葉酸服用前7.9±3.0ng/ml、200μg服用後は10.7±4.6ng/mlとなり、基準値3.6ng/ml未満者は飲用前に1名のみであった。遺伝子型別では、CC型(22名)は148%、CT型(28名)は147%、TT型(13名)は156%増加となり、TT型では服用後の変化率がやや高かったが、他の型と比べて低値を示した。血清tHcyは、CC型で32%、CT型で35%減少したが、TT型は22%に過ぎなかった。すなわちTT型においては、葉酸を現行の所要量より多めに摂る必要があると考えられた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 安田和人, 平岡(福島)真実, 荻原貴裕: "ビオシン・アビジンを用いる化学発光-競合的結合測定法(CL-CPBA-BA)による血清葉酸の自動測定"機器・試薬. 25(5). 441-448 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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