ポリフェノール化合物の活性酸素消去活性に対する抗酸化ビタミン(アスコルビン酸およびトコフェロール)の影響について、DPPH-HPLC法とリポソーム酸化法を用いて評価をおこなった。ポリフェノール化合物としては、エピガロカテキンガレート(EGCG)、エピカテキンガレート(ECG)、エピガロカテキン(EGC)、エピカテキン(EC)、カテキン、ケルセチン、ルチン、ケルシトリン、ケンフェロール、ケンフェロール-3-グルコシド、シアニジン、シアニジン-3-グルコシド、ダイゼイン、ゲニステイン、ダイジンの標品を用い、抗酸化ビタミンとして、L-アスコルビン酸、α-トコフェロールの標品を用いた。その結果、DPPH-HPLC法においては、カテキン類とアスコルビン酸およびトコフェロールを混合することによって活性の上昇が認められたが、有意な差ではなかった。その他のポリフェノール化合物については、相加的な作用が認められた。リポソーム酸化法では、アスコルビン酸を反応系に加えていたことから、アスコルビン酸に活性酸素消去活性は認められず、ポリフェノール化合物の活性に対しても影響を及ぼさなかった。一方、ポリフェノール化合物とトコフェロールを混合した場合、シアニジン、ECG、EGCで相乗作用が認められた。また、ケルセチン、ケンフェロール、シアニジン、ECG、EGCGは高い活性が認められたため、さらに濃度を1μMにまで希釈し混合したところ、ケルセチン、ECG、EGCGに明らかな相乗作用が認められた。従って、単一では活性が微弱であっても、複数の成分が混合することによって、相乗的に作用が発揮されることが明らかとなった。さらに、生体内でアスコルビン酸がトコフェロールを再生するように、ポリフェノール化合物とトコフェロールにおいても同様の作用が見られる可能性が示唆された。
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