昨年度検討した刺激の添加法の再検討を行った。刺激の添加方法は、前回の培養において細胞維持が最もよかった、50mM K^+の刺激を2日に1回2分間与える条件で行った。 培養法の検討および細胞状態への影響観察として、(1)細胞形態観察および(2)LDH活性測定を行った。培養は常法に従って、海馬細胞を1x10^5個/cm^2で4穴プレート(播種面積2cm^2)に播種し培養した。培地はDMEM培地を用いた。 その結果、細胞形態は、刺激を添加した方がH14年度の結果と同様、突起の長さが長く、かつ太くなる傾向が見られた。また、細胞数は、刺激を加えた方が細胞数が維持される傾向にあった。LDH活性は刺激の有無により差が認められなかった。 なお、培養時のK^+刺激の有無におけるグルタミン酸の放出量も現在検討中である。 また、先と同様の条件で培養した細胞に、試験的に10^<-6>Mドコサヘキサエン酸あるいは10^<-6>Mアラキドン酸を添加した。その結果、脂肪酸を加えて刺激添加した方は、細胞数が少ない傾向が見られた。しかし、細胞体は大きく、突起は太く長くなる傾向にあった。
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