15年度は前年度に作製した試験体を用いて4種類の方法で脱塩実験を行った。 (1)セスキカーボネート(Na2CO3・NaHCO3)水溶液への浸漬による脱塩実験 (2)オートクレーブによる高温高圧状態での脱塩実験 (3)アルカリイオン電解水への浸漬による脱塩実験 (4)トルマリンを用いたアルカリイオン活性水への浸漬による脱塩実験 現在、上記方法による脱塩実験を継続中でありデータの集積並びにこれまでのデータの整理を行っている。塩化ナトリウム(NaCL)・硫酸ナトリウム(Na2SO4)・鋳鉄資料から採取した錆、それぞれを混ぜ合わせ鉄粉圧縮体(サンプルA・B・C)について、個別に効果的な脱塩方法があるの、脱塩期間が最も短縮できる方法はどれか、逆にふさわしくない方法はあるのかなど検討中である。なお当初はトルマリンによる活性水生成のため水中の酸素量を増やす装置を検討していたが、水中の溶存酸素を増やすことは、反対に錆を進行させることになると判断し、トルマリンペレットを投入しただけの状態で脱塩を行った。 しかし、オートクレーブによりトルマリンに加圧ならびに加温による刺激を与えることで、より活性した水を生成することが可能となる。そこでオートクレーブによる脱塩の際に、トルマリンを用いたアルカリイオン活性水を使用することでにかなり効果があるのではないかと考え、現在、同方法による脱塩実験について実施を検討中である。 またそれぞれの脱塩方法による実際の実施例を調査し、脱塩期間やその効果、メリットとデメリットについても検証を行っている。
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