研究概要 |
本研究では,理科学習の根本的な出発点である学習者の常識知の発達と科学教材配列・学年配当の対応に的を絞り,日本の現状を分析し,学習者の常識知の発達に沿った科学カリキュラムの在り方について提言することを目的としている。 本年度は,3年計画の初年度にあたり,導入研究に位置づけられる。その研究実施内容は,科学カリキュラムと学習者の常識知の発達の関連に関する既存文献の研究と予備的調査・統計作業による科学教材配列・学年配当の評価の枠組みの構築であった。 具体的には, 1.科学カリキュラムと学習者の認知発達の関係については数多くの先行研究があり文献化されているので,その整理・分析に基づきポストピアジェパラダイムから科学教材配列・学年配当を評価する枠組みを構築した。その成果の一部は,日本科学教育学会年会にて発表された。 2.上記の作業を補完するため,学習者の常識知の発達を把握するための調査・統計作業を国外関連研究者・教師(オーストラリア)及び国内の現場の教師と協力して行った。動力学領域に関する成果の一部は,海外でも高く評価され,オーストラリアで開催された国際振り子会議において二編の講演発表を行った。またメタレベルでの常識知に関する成果は,全国紙の新聞にも取り.上げられた。 なお,上記(1)及び(2)の作業については,コンピュータを用いて統計指標も含むデータの系統的な収集と分析を行った。
|