今月、理科カリキュラム改革の争点の一つに、理科教育と技術教育との融合の問題がある。この問題をめぐっては、これまで関係学会を中心にカリキュラム試案の研究が進められているが、両者を融合する根拠や融合した場合の教科構成原理などについては、十分に検討されているわけではない。 本研究は、理科教育と技術教育との関係を比較教育史的な立場から検討する研究の一環として、ドイツを取り上げ、技術教育を担う教科「労働科(Arbeitslehre)」の実体を明らかにし、これをふまえて労働科を中心とする技術教育と理科教育との関係を歴史的に解明することを目的とする。 平成14年度は、以下の研究項目について明確にした。 1 労働科の実体 (1)労働科の歴史と現状 (2)労働科と総合技術教育 (3)労働科と行動・実践志向の教授 (4)労働科と職業準備教育 2 労働科を中心とした技術教育と理科教育との関係の歴史的考察 (1)理科教育成立期(19世紀後半から20世紀初頭) (2)理科教育発展期(20世紀初頭から第2次世界大戦終了まで) (3)教育現代化の時代 (4)近年の教育改革の時代
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