障害者の中でも特に視覚障害者とパソコンに不慣れな高齢者をターゲット絞り、現状のパソコンシステムをそのまま利用して、簡単なインターフェースで必要な情報のやり取りを行えるシステムの開発を行ってきた。そのため、新たなスクリプト仕様に基ずく入力を簡便化したインタープリタの制作を行う必要があり、使いやすさを重視してベーシック言語を基本としたインタープリタの標準化を行った。音声出力のインターフェースモジュールを組み込み、GUIにとってかわるオーディトリーユーザーインターフェース(AUI)の開発を実装することができた。特にインターフェースが音声重視から音響による移行が進み、仮想音響空間におけるマルチタスク処理への可能性を広げることができた。さらに、レーザーを用いた指向性を利用した入出力デバイスへの応用にも取り掛かることができた。 本システムは、視覚障害者および高齢者に実際に使用してもらい評価を行ってきた。湘南工科大学の「社会貢献活動」授業の中の活動先である、神奈川県社会福祉事業協会が実施しいている「高齢者向けパソコン教室」で、本システムをインストールしたパソコンをモニターとして高齢者や障害者に使用してもらいフィードバックをかけることができた(なぎさ壮、やすらぎ壮)。また、藤沢市身体障害者通所授産施設「湘南マロニエ」においても、特にマウス操作を省略してどれだけ短いステップで目的まで到達させるか、また有効なオーディオ信号として耳が聞こえにくくなった人への適切なAUI信号なども調査することもできた。また、藤沢市辻堂の視覚障害者支援組織(オフィスビシュアル21)にも実際に視覚障害者の方に評価してもらい、細かい調整を行いながらより使いやすい汎用性のあるシステム作りを行うことがきた。
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