本研究は、周囲の状況・人物がめまぐるしく変化してゆく環境下で、聴覚障害者が複数健聴者とのコミュニケーションをより円滑に行うための支援装置利用形態を調べることを目的とします。 上記の目的のために、今年度、以下の事項を行いました。 聴覚障害者間、そして聴覚障害者と健聴者間でコミュニケーションを行うとき、どのようにして注意を向けさせあっているのかを、取材を行いました。具体的には、聴覚障害者間、そして聴覚障害者と健聴者間で行うコミュニケーションを実際に観察しました(現在も継続中)。次年度は、これらの結果を、動作のパターンとして分類し、視覚刺激を作成に役立てる予定です。 一方、その取材と平行して、どの程度の視覚刺激(実際の手などの動作を撮影したもの)ならば注意を惹くことが出来るのかを調べるために、実験システムを構築しているところです。実験システムは、複数のコンピュータと複数の大型ディスプレイで構成し、それを連携して利用できるように実験用のソフトウェアも開発中です。手の動作などを撮影し、実物を見ているのと同じ"見え方"にするために、測定器を用いて素材となる動画像の明るさ、色合い、そして部屋の明るさとの関係を考慮しながら視覚刺激の作成を行っております。 上記のコミュニケーションに関する取材と視覚刺激の作成とを現在行っております。
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