本研究では、研究代表者が進めてきた電子メールの文書要約手法を改良した「オンラインディスカッション学習支援システム」の構築と、それを用いた複数地点間の情報交換・意見交換により実践的な評価実験を行なうことを目的としている。 本年度は、学習者や教授者が学習を評価するために利用できる、学習者が行うディスカッションを可視化手法として、コレスポンデンス分析を用いて学習者および発話中の語彙の連関を2次元配置したものを生成する手法を提案した。この図により、ディスカッションの参加者がおおむね担っている話題や参加者相互の位置関係を図示したものを得ることができる。この図示の自動的な生成手法について開発をおこなった。本研究で提案した協調学習の評価方式では、適切なキーワードを用いて分析を行うことにより、議論における学習者自身と他者、学習キーワードとの関係を明示することができる。学習の達成度は問えないものの、協調学習を営むコミュニティ内の話題と、各学習者のかかわりが明示されることにより、それによって学習者の内省やモニタリングを促進する可能性がある。 また、オンラインディスカッション環境を利用した評価学習環境として、国際的な大学院講義におけるディスカッションと科学館学習プログラムにおけるディスカッションの2つの学習環境を準備することにしている。開発した手法を組み込んだツールをオンライン学習環境に組み込んで、今後評価に用いる。
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