本研究は、大学入学者選抜時における受験者の進路選択の意思決定支援システム開発をめざし、下記の調査・分析を行っている。 1 大学受験時の意思決定方略と学部適応度との関連の定量的な把握を目的とした質問紙調査 2 不適応を生じさせる意思決定のミスについて検討することを目的とした不適応事例の面接調査 3 大学入学者選抜時における受験者の意思決定過程のモデル化と進路支援システム構築 研究2年目である本年度は、一昨年度末に終了した共同研究I「大学入学者選抜における評価の標準化に関する研究」中で得られたデータについて、"大学入学者選抜に関する意見の構造"という観点から再分析を行った。分析結果については、日本行動計量学会第31会大会において発表した。結果からは、大学入学者選抜に関する意見は、1.学力試験に対する負担感、2.適性・関心評価での選抜への態度、3.学力試験、成績での選抜への態度、4.面接・小論文での選抜への態度の4つめ成分に分かれることが示された。また4つの成分全てにおいて、職業要因の主効果が有意であり、大学入学者選抜に関する意見は、1.高校生、2.高校教員、3.大学教員といった回答者の立場によって異なることが明らかになった。 更に今年度は、大学1年生を対象に、特に大学入学後に学部・学科に応じて必要とされる思考力、判断力について検討を行うための調査を平成15年12月に実施した。現在、データの入力作業は終了し、分析中である。
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