研究概要 |
本研究の目的は,聴覚障害児における算数アルゴリズムの正当化の質の変容とその変容への教師の働きかけを,正当化の根拠となる文脈の共有プロセスを検討することで明らかにすることである. 平成15年度は,次の研究課題(3)と(4)の解決に取り組んだ. 目標(3)}正当化の根拠となる文脈の記述と分析 目標(4)}正当化の根拠となる文脈の共有プロセスの記述と分析 目標(1)については,文献研究及び聾学校及び普通学校における教室観察を行い,正当化の根拠となる文脈の記述と分析を行った.記述と分析においては,福島大学教育学部附属小学校および宮城県立ろう学校にご協力いただいた。その成果の一部は科学教育学会の学会誌「科学教育研究」に,4月中にも投稿する予定である.タイトルは「知覚の選択性に見る算数・数学の学習過程」である。 目標(5)については,文献研究を行い,目標(1)と同様,文献研究及び聾学校及び普通学校における教室観察を行い,共有プロセスの記述と分析を行った.記述と分析においては,福島大学教育学部附属小学校および宮城県立ろう学校にご協力いただいた。その成果の一部は2004年7月にデンマークで行われる世界数学教育学会(International Conference on Mathematics Education)のTopic Study Group「mathematics education with special needs」での口頭発表が決まっている。発表タイトルはOn a Mediating between Concrete and Abstract for the Hearing Impaired in Mathematics Classroomsである。
|