本年度は、アメリカ合衆国の中等家庭科教育におけるキャリア教育に関して分析し考察した。 その結果、以下のことが明らかとなった。 1.中等家庭科教育における家族関係と地域社会において、生徒の職業への適性を考え、職業に関する価値観についての学習活動が設定されている。 2.個人の発達の一つの重要な要素として「キャリア教育について考える」ことが求められている。そこでは、生徒が自己評価を行うことにより、自分の性格を把握し、職業に対する意識づけをすることが求められる。 3.消費者教育においても、消費者として職業を考えさせ、そのための準備学習が行われる。 4.食物と栄養分野においても、職業教育の学習の機会が設定されており、食品加工や食事サービスに関する仕事を学び、この分野における職業準備教育の機会が設定されている。 5.被服分野においても、この分野に関する職業についての学習が行われている。 6.住居分野においても、この分野に関する職業についての学習が行われている。 以上のように、アメリカの中等家庭科教育においては、すべての分野において職業教育に関する学習内容や学習の機会が設定されており、中等教育段階からキャリア教育の視点から家庭科教育が行われている。
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