研究二年目に当たる本年度は、研究開始年度の基礎調査を受け、視覚イメージ力についての実態調査を行った。先ず、実態調査を行うに当たり、受け入れ可能な調査校のピックアップを行った。そして、調査校より許可をいただき、図画工作科担当の教諭とTTによる研究授業を行った。調査対象は、第1学年1クラスと第2学年1クラス。 1.予備調査・授業実践 先ず、それぞれのクラスにおいて、調査校の年間指導計画で実施予定の1単元(1年生1時間、2年生2時間)ずつの授業を行い、子どもたちの発言、コミュニケーションの実態について把握。その後、日頃の言語運用能力について、担任より聞き取り調査。 2.視覚イメージ力について実態調査・授業実践 各クラスにおいて、題材「おはなしだいすき」(全6時間)の導入、展開部(4時間)を指導。(目標:お話を聞いたり、読んだりして思いをふくらませて、絵や立体に表そうとする。お話しの大好きな場面を見つけて、絵や立体など自分なりの方法で表す)児童の言葉の聞き取りによるイメージ力、読後の印象をラフスケッチにて収集。また、記述式による印象の確認資料を収集。制作過程における、発想段階から構想段階に至るイメージの変移を確認。描画後の作品、作品のコメント、感想を収集。 3.視覚イメージ力についての分析 今回の実態調査・授業実践では、同じ題材を第1学年と第2学年で実施し、学年進行の差による言語運用能力、イメージ力の差について分析。同時に、昨年度の基礎研究で確認された「子ども同士の関係性」による影響も考慮し、クラス内の子ども同士の影響も継続して調査する必要性を確認した。
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