2003年2〜3月、沖縄県内の小・中・高等学校の音楽担当教諭を対象に、沖縄県の学校教育における郷土音楽学習に関するアンケート調査を実施した。郷土音楽学習の授業づくりのための基礎的な実態把握を企図したものである。導入率、実施形態、授業についての教師の意識や受け止め方、学習内容、学習形態、使用楽器、教材曲、学校外の人材の活用、悩みや問題、学習の成果、自己研修の内容、大学での学習歴などに関する内容である。本年度は、この結果の一部を、10年前の調査との比較を交えながら検討し、沖縄県の郷土音楽学習の現状と課題について、日本学校音楽教育実践学会で口頭発表し、学部紀要に公開した。 一方、沖縄県の郷土音楽学習に関する指導資料や実践記録の収集にも努めた。郷土音楽学習の中心楽器である三線の指導法に関する楽譜・音源等を収集するともに、学校教育における三線指導の第一人者である入里叶男氏(沖縄県三線教育研究会主宰・浦添市立仲西小学校教諭)、沖縄県教育センターの長期研修員として三線の指導海を研究した當間保氏(南風原町立南風原中学校教諭)の三線の授業を継続的に観察した。 入里叶男氏の指導法の特徴については、入里氏の教育理念、指導計画、授業を分析・検討し、その結果を日本音楽教育学会九州地区例会にて発表した(大石あゆ美との共同発表)。
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