研究概要 |
日本の歌を用いたWeb教材開発のために、今年度は「1.Web教材化する歌の選定」と選定した歌の「2.歌詞の日本語分析」を中心に行ったが、並行して、「3.Web教材開発の準備」も進めた。以下、それぞれの詳細について順に述べる。 1.Web教材化する歌の選定 収集した童謡、唱歌、民謡などの楽譜・書籍から185曲を選びだし、歌の知名度についてのアンケート調査を実施し、140名から回答を得た。それらをExcelでデータベース化した結果、歌により明らかに知名度の差があることがわかった。また、著作権の有無についての調査も行った。これらの調査結果をもとに、日本人の多くに親しまれている歌で、かつ、著作権に抵触しない歌をWeb教材用に56曲選定した。 2.歌詞の日本語の分析 選定した歌56曲の歌詞に使われている語彙を『改訂 品詞別・A〜Dレベル別 1万語語彙分類集』(専門教育出版)を用いて日本語学習の観点からレベル判定を行い,それらをFile Maker及びExcelでデータベース化し、56曲をそれらに使われている語彙の難易度により、日本語の初級、中級、上級、超上級レベルに四分類した。また、初級レベルについてのみ文法・文型レベルからの分類も行った。歌詞に使われている日本語の特徴として、動植物のことば、擬声語・擬態語、口語的表現、幼児語、雅語、文語が多く出てくること、一つの歌に同じ文型が多用されることなどが明らかになった。 3.Web教材開発の準備 音楽専攻の学生の協力を得て、スコアメーカーとSoundEditを利用し、SMF(MIDI)ファイルとmp3ファイルを作成した。それから、歌のイメージにあった風景等をデジタルカメラで撮影し、画像処理ソフトで加工した。 今年度は、ほぼ当初の実施計画の通りに、研究を進めることができた。来年度は、Web教材の開発を中心に行うが、あわせて歌詞の日本語の文法・文型レベルからの分類方法の検討も行いたい。
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