歌を用いた日本語学習者用の教材を開発するために、平成14年度に行った知名度調査による歌の選定、および選定した56曲の歌詞に使われる語彙・文型の分析結果をもとに、平成15年度は1)「日本の歌」サイトと2)「日本の歌」CD付きテキストの開発を行い、これらの研究成果をまとめた2)報告書を作成した。 1)「日本の歌」サイト(http://www.isc.toyama-u.ac.jp/~hamada/song/song_top.html)の開設 平成14年度の研究により選定した童謡、唱歌等56曲について、日本語学習者がインターネット上で学べるように、歌詞、カラオケ用の伴奏ファイル、手本用の音声入りファイル、楽譜、歌詞に関連する写真やイラスト、それから、漢字の読み、活用形、話ことば・古語などの語の特徴および英訳を掲載した語彙リストを含んだWebページを制作した。曲の索引としては、一般的によく使われる曲名、知名度、作曲家、作詞家、ジャンル別の他に、歌詞の語彙・文型の分析結果をもとに分類した日本語の難易度順による索引を用意した。これらを富山大学留学生センターのサーバに置き、「日本の歌」サイトとして平成15年6月にテスト公開、7月に一般公開した。サイト内には、利用者がサイトの評価を行えるアンケートページを設けているが、利用者からは概ね良い評価を得ている。また、アンケート結果をもとに、平成16年3月にローマ字表記版のページおよび音楽ファイルのダウンロードができるページを新たに加えた。 2)研究成果報告書(「日本の歌」CD付きテキスト) 平成15年度末に本研究の成果をまとめた報告書を刊行した。この報告書の後半部分には、インターネットが利用できない日本語学習者や授業で利用する日本語教師のために、「日本の歌」サイトの主要部分をテキスト版としてまとめ、掲載した。テキスト用に作成したオーディオCDとあわせて、関係機関等に発送した。 今後は、対象を童謡、唱歌以外のジャンルの歌へと広げ、歌の日本語学習への利用に関する研究をさらに発展させたいと考えている。
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