本年度は、昨年度の調査・研究成果を踏まえ、文献による理論的研究の充実、専門家・実践家との情報や意見の交換、さらなる実態調査(授業データの蓄積、アンケート調査、インタビュー調査)を行った。 文献による理論的研究の領域は、医療系大学の学生を対象にしている関係上、コミュニケーション教育学、コミュニケーション学、医学教育学、看護教育学、日本語教育学、日本語学、国語教育学、国語学、認知心理学、社会心理学、社会学、行動科学など、多岐に渡った。文献・論文・実践報告・教材の収集・分析・考察の際の主なキーワードは、「コミュニケーション」「書く」「読む」「思考」「表現」「文章表現」「論理性」「作文」「論文」「対話」「共感」「協働性」「インターアクション」「人間関係」「大学初学年教育」「医療コミュニケーション」などである。また、これらを踏まえたうえで、各領域の専門家や実践家と情報や意見の交換を行った。 上記のような文献・理論研究に加え、アンケート、および、インタビューによる実態・意識調査のデータ、授業実践のデータ、および、学生が書いた文章(主に、レポート)の蓄積を行った。 アンケート調査、および、インタビュー調査は、主に学内を対象に行った。受講直後の学生だけではなく、受講後時間が経過した学生からの振り返りによる内省や提案などのフィードバックを収集した。 授業実践のデータとしては、教員が提示した課題内容、指導内容・方法、教材、フィードバック、および、学生の文章などを収集し、分析した。 具体的なデータの蓄積・分析・考察と、理論的研究の往還により、医療系大学の特性を考慮したカリキュラム・デザイン、および、教材開発上の課題・ニーズを多面的に検討することができた。
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