研究概要 |
前年度に引き続き,統計モデルに対応する多様体の大域的な性質がベイズ統計理論と直接結びついていることを利用して,多様体の大域的な微分幾何学的性質を調べることにより従来良いとされてきた予測を優越する予測を構成する研究をおこなった.さまざまな,統計モデルに関して,ジェフリーズ事前分布に基づくベイズ予測を有限サンプルで厳密に優越する予測分布や,漸近的にミニマックス性をもつベイズ予測分布を統計モデルの大域的な機何学構造に基づいて構成する方法について調べた. 特に,ウェーブレットに基づくモデルとネイマン・スコットモデルのリーマン幾何学的構造を明らかにして,ベイズ予測が有効であることを漸近理論の立場から示した.また,定常ARモデルなどの時系列モデルのリーマン幾何学的構造を調べ縮小型ベイズ予測が有効であることを示した.さらに,パラメトリツク,ノンパラメトリックブートストラップ法,マルコフ連鎖モンテカルロ法を利用した計算統計学的な手法を利用したベイズ予測について研究した. 2003年にインドで開催された国際会議"Fifth International Triennial Calcutta Symposium on Probability & Statistics"及び香港で開催された国際会議"Bernoulli Society East Asian and Pacific Regional(EAPR)Conference 2003"において研究成果の発表を行った.
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