研究概要 |
1.実験計画法では,処理効果の推定や計画の有効性検証に利用されるefficiency factorの解析が重要視される.本年度は,二方分割型ブロック計画の中でも特に準BISBDのefficiency factorに関する研究を中心に行った.まず,二方分割型ブロック計画の各要因の計画に2つの分解可能な釣合い型不完備ブロック計画(resolvable BIB design)を対応させ,各resolvable BIB designのresolvable classごとの直積によって準BISBDが構成されることを示した.次に,この構成法によって得られる準BISBDの組合せ構造の規則性から情報行列の固有値を決定した.このことにより,準BISBDとしては初めてefficiency factorを定式化することができた.本研究の遂行に当たっては,大阪府立大学,慶應義塾大学,ポーランドのポズナニ農業大学の研究者らの協力を得た. 2.分割法実験(split-plot design)は,二方分割型ブロック計画のモデルと深い関わりがあることから,split-plot designの有効性,最適性について研究を行った.本研究は当初二方分割型ブロック計画の有効性問題の調査研究として進めてきたものであるが,split-plot designの研究としても充分価値のある結果が得られた.本年度はsplit-plot designの構成法とefficiency factorとの関連性について研究を行い,square lattice designとrectangular lattice designにより構成されるsplit-plot designのefficiency factorを求めた.さらに,処理効果の推定に関してuniversally optimumであるという最適性の証明を行った.これらの結果については現在投稿準備中であり,今後,これらの研究成果を活用して二方分割型ブロック計画の研究,および遺伝子工学分野への応用に関する研究を更に進める予定である.
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