研究課題
本年度は、主に(1)分類結果を評価するプログラムの開発、(2)新しいタイプのデータに対応するモデルの構築、(3)実用的なプログラムの公開法、について研究を進めた。(1)については以前作成していたMathematicaでのプログラムを数値実験に対応できるようにインターフェースや計算ルーチンの変更を行った。また同時に計算速度の向上を求めるため、Fortranでのプログラムも開発した。これらを用いた具体的な数値実験は次年次以降に行う予定である。クラスター分析が解析するデータは対称データ(対象Aからみた対象Bへの距離が逆のそれと等しい)を想定しているが、実際のデータは対人における友好度のように非対称データ(対象Aからみた対象Bへの距離が逆のそれと異なっている)であることが多く、近年非対称データに関するクラスター分析法の提案が行われている。ただしこれらの報告では手法の提案に留まり、分類の評価についてはあまり触れられていないのが現状である。このことを踏まえ、(2)に関連して本研究の主目的である分類の評価を非対称データに対応した手法についても検討中であり、この結果はIMPS-2003(イタリア)で発表予定である。加えて、(3)に対しては、提案した手法や指標を利用できるソフトウェアの開発を行った。特に利用者の使いやすさを考慮し、利用者が多いExcelやWebブラウザをインターフェースとしてもつソフトウェアを開発した。この結果はCOMPSTAT-2002(ドイツ)や雑誌Computational Statistics(2002)で発表した。
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