本年度はこれまでの本研究のまとめとして、特に非対称データにおける分類法の結果の評価について研究を行った。非対称データは、これまでのデータでは対象間の似ている度合い(類似度)もしくは似ていない度合い(非類似度)は双方向からのものが通常同じであるが、友人間の友好度や雑誌の引用頻度など、度合いが異なる場合のデータであり、近年、データ解析の分野で議論されているデータである。加えて、研究により解明した結果を他の応用分野への適用や一般的に利用できるように現在の計算機環境への適用法も研究した。 特に、非対称データの結果の評価として、既存の対称データに適用される手法を非対称データの解析への拡張やその非対称性を考慮した指標の提案など、非対称データの解析を中心にまとめた。 これらの研究結果は、分類法の分野で権威のある国際雑誌(Journal of Classification)への投稿(現在投稿中)、国際学会での発表(International Federation of Classification Societies(IFCS)2004、米国、シカゴ)を行い、他分野への利用として、研究結果を現在の計算機環境に適用した方法を英文書籍(Frontiers in Statistical Quality Control 7)への掲載や国際学会(Proceedings of The eighth China-Japan symposium on statistics、中国、桂林)で行った。また国内学会でも、日本計算機統計学会、日本行動計量学会、第4回西東京統計研究会など、発表を行った。
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