研究概要 |
平成15年度は,平成14年度に開発した並列EGGを用いて,以下の研究を実施した. 1.平成14年度に構築した並列EGGの実現に特化した16ノード程度のPCクラスタを構築した.各ノードには,現有のPCを使用した.OSとしてLinuxを使用し,各ノードを1000Base-TXのネットワークとスィッチにより結合した.並列EGGでは,分散処理される各プロセス間の通信(個体集団の移民プロセス)に厳密なスケジューリングが不要なため,汎用のネットワークスイッチを用いても十分な台数効果が達成できると予想される.実際に、このような仮定が妥当かどうか,PCクラスタ上で並列EGGの動作試験を実施し,実験的に検討した. 2.上記1で構築したPCクラスタ上において,並列EGGによる進化実験をおこない,各種の進化パラメータ(ノードあたりの個体数,世代数,遺伝的操作の確率,機能評価方法,個体の選択方法,個体データの通信方法など)ならびに各種のハードウェアパラメータのチューニングを行った.このチューニングのベンチマークとしては,直並列構造の乗算器ならびに積和演算器の合成問題を取り上げた.実際に,アイランドモデルによってノード数に依存する高速化の効果が達成できるかどうかを実験的に検証した.特に,メッセージパッシングによるノード間通信のオーバーヘッドを購入予定のソフトウェアにより注意深く解析した.さらに,並列EGGを用いて,大規模存演算回路生成実験を実施した.具体的には,直並列積和演算器や転置形FIRディジタルフィルタのための乗算器ブロックの生成を試みた.
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