Web情報における表現と操作のモジュール化

2002 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 14780183
• 研究機関: 筑波大学
• 研究代表者: 三浦 元喜 筑波大学, 電子・情報工学系, 助手 (00334053)
• キーワード: MVC / モジュール / inlineLink / Javara / Servlet

研究概要

平成14年度は、既存のWebページに対する操作(アクション)と、それに対応する各々の振る舞いを動的に変更するための枠組みとして、文書情報文書情報(Model)と表示(View)、操作(Controller)の3つの要素を考慮したモデル化を行った。Webページの操作において、今後重要になると考えられる大画面スクリーンや情報携帯端末等で用いられるペン操作を考慮したControllerモデルを設計した。
また、操作と振る舞いを変更することによる具体的なアプリケーション例として、Web文書編集システムJavaraの構築を行った。これは、既存のWebページについて展開と畳み込みという操作によって、リンクを含めた文書の階層構造を再定義・編集するものである。Javaraにおいては、「展開」および「畳み込み」という2つの操作モジュールと、それに対する振る舞いモジュールを適用することによって実現している。また、さらに編集機能を高めるためのカット、コピー、ペースト、Undo/Redo機能をモジュールによって加えた。これらの機能はWebページのコンテンツそのものとは分離して記述することができるため、適用範囲を柔軟に設定することができる。これらの記述を実際のWebページに適応させる作業はサーブレットによって行う。サーブレット自身はJakarta-TOMCAT等のサーブレットコンテナを用いることにより、サーバ上だけでなく利用者の計算機(ローカルホスト)において動作させることも可能である。
今後は、設計したペン操作を考慮した操作のモジュール化の枠組みを用いて、実際の大画面および小画面デバイスへの適応を行っていく予定である。

研究成果

• [文献書誌] 三浦 元喜, 志築文太郎, 田中二郎: "Webブラウザを利用した文書内挿機能の実現"情報処理学会論文誌. Vol.43, No.12. 3716-3717 (2002)
• [文献書誌] Hironobu Aoki, Motoki Miura, Jiro Tanaka: "A Web Site Editing System based on Unfold/Fold Operations"Proceedings of the International Conference on Internet Computing (IC 2002). Vol.II. 297-302 (2002)
• [文献書誌] Motoki Miura, Buntarou Shizuki, Jiro Tanaka: "A Framework for Transferring Desktop Images and Remote Operations in Multiple Computer Environments"Proceedings of 10th International Conference on Human -Computer Interaction. (To appear). (2003)
• [文献書誌] 三浦 元喜, 志築文太郎, 田中二郎: "画面転送・遠隔操作に基づくコミュニケーションツールの設計"インタラクション2003論文集,情報処理学会. 263-270 (2003)