研究概要 |
本研究は,都市空間などの膨大な3次元幾何データの効率的な再構成手法の検討を目的としている. 本年度の研究では,3次元幾何データデータベースに含まれる3次元幾何モデルの検索手法について検討を行った.本研究では,3次元幾何モデルを球体にパラメータ化し,パラメータ化した球体からGeometry Imageを作成する.作成したGeometry Imageに対し,2次元画像どうしのマッチングを行うことで,3次元幾何モデルの類似度を計算する手法を提案した.提案手法では,従来手法と異なり多視点画像を必要としないため,適切な幾何特徴を得るためのカメラ位置の推定等の前処理の必要がない.また,最終的には2次元画像どうしの比較によって3次元モデルの類似度を計算するため,従来の2次元画像処理技術を応用可能であるという利点がある. さらに,3次元幾何データの取得だけではなく,デジタルカメラで撮影した画像から文字情報を抽出することによって,3次元データの付加情報を取得する方法についても検討を行った.提案手法では,文字の構造特徴を利用し,エッジ特徴と色特徴から段階的に文字を構成する字素を抽出することによって,情景画像から文字列を抽出する手法を提案した.エッジ画像からは,字素としての形状の単純さを満たす条件を用いてテクスチャやノイズを多く含む領域を削除した後,字素の形状特徴を利用して字素エッジの抽出を行う.次に,字素エツジに対する外接矩形を対象範囲とし,局所的な輝度分布から字素と背景の分離を行う.その後,抽出された字素領域の代表色を用いた色空間でのクラスタリングを行うことによって,画像全体の色分布の影響を受けにくい文字列領域の抽出を行うことができる.
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