研究課題
3DCGデータと、利用者の知識情報を一つのデータベース(DB)に統合化し、時空間情報を共有・検索できる「時空間情報の知識ベース」の構築方法論は、DB研究の中でも注目を集めているテーマである。本研究では、知識情報と3D形状データとを明示的に結びつけるモデル化手法によって実現手法を提案し、高度な空間共有システムの実現性を示してきた。平成16年度は、これまでの研究成果の総括として、本モデル化手法の応用事例の評価と検証を行った。すなわち、「オントロジー存在エンティティー生データ(三次元データ)」の3層構造スキーマモデル化手法を応用した「高度コミュニティ空間」システムを設計し、実装の上、評価を行った。応用事例その1として、「オフィスグループウェア」の設計・実装・評価を行った。具体的には、物を「しまう」など、単なる座標の変更の背後にある「操作の意図」を表現するモデルを導入し、データベースで共有できるような「オフィス仮想環境」の実装と評価を行った。これによって、その背後にある「意味」や「意図」を明示化し、共有・検索できる仮想空間ブラウザを実現した。応用事例その2として、診断支援を目的とした医用画像所見情報の共有を実現する、PET画像データベースの構築手法を提案し、評価を行った。PET画像は、CTやMR画像と本質的に異なり、画像内に生理学的・病理学的情報を含んだ新しい画像データで、読影に際して専門的な知識を要求する。これに対し、本手法によって、単にPET画像(=3次元画像データ)を蓄積するだけでなく、読影時の所見情報(=知識+存在に関するエンティティ)も登録しておくことで、後に診断支援となる検索を行うことのできるPET画像データベース構築手法を提案した。実際にプロトタイプ上でその実現性を示し、効果的な検索が実行できることを示した。
すべて 2005 2004
すべて 雑誌論文 (6件)
情報処理学会論文誌:データベース TOD26(掲載予定)
Proc. of International Workshop on Biomedical Data Engineering (BMDE2005) (掲載予定)
Proc. of Data Engineering Workshop (DEWS2005) (掲載予定)
情報科学技術レターズ(FIT2004) Vol.3
ページ: 63-66
日本データベース学会Letters Vol.3,No.2
ページ: 29-32
日本データベース学会Letters Vol.3,No.1
ページ: 77-80