研究概要 |
本研究ではWWW上でのセッショシ管理を実現するための新たな機構の提案を行う.提案する機構によってコンテクストデータの安全性,信頼性を高めたWWWクライアントサーバシステムが構築できるようにする.具体的には,ユーザが不正にコンテクストデータを操作することを防ぎ,また,通信トラブルによるセッション中のデータ消失をも防ぐ.更に,提案するセッション管理機構を応用して,WWWへのアクセス機能の付いた携帯電話から利用するクライアントサーバシステムの応答性を向上させることを試みる.最終的に,より安全で高速なサービスを提供するWWWのための基盤技術の開発を本研究では目指す.本研究では次の2つのサブテーマに分けて開発を進めている. S1:一般のWWW環境下での新しいセッション管理機構の実現 S2:携帯電話から利用できる新しいセッション管理機構の実現 平成15年度は,サブテーマS2の実現のため,平成14年度に提案したセッション管理機構を携帯電話から利用するためにモジュール構成の一部を拡張変更し,次のような機能上の拡張をした. C1:WWWサーバ計算機(HTTPサーバが動作し,Webコンテンツを保持・管理する) C2':WWWクライアント携帯電話(Webコンテンツを閲覧する簡易WWWブラウザが動作する) M1':コンテクストデータ管理(サーバ)モジュール この機構ではモジュールM1'をWWWサーバ計算機(C1)に実装した.これは,主として携帯電話が必然的に持っている物理的なサイズ上の制約を解決するためである.モジュールM1'はWWWサーバの主記憶上にコンテクストデータのデータベースを作成し.携帯電話(C2')とのデータ通信を直接行う仕様とした.これによって,提案しているセッション管理機構の利点を活かしたまま,WWWクライアント携帯電話からの利用が可能になった. 今後は別の実現方法との性能比較などを行う予定である.
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