研究概要 |
平成14年度の研究実績の概要は以下の通りである. [1]マルチコンテキスト型動的再構成可能アーキテクチャに関しては,マルチコンテキスト分割アルゴリズムを導入した計算機上に実現し,評価を行った.従来手法では,入力された回路に対してグリーディ解法により分割結果を得ていたのに対し,さらにSA(シミュレーティッドアニーリング)法,タブーサーチの方法を組み込んだ.その結果従来手法より,数十%ハードウエアリソースを有効に使用する分割法が得られた. [2]動的再構成可能FPGAの一つであるPlastic Cell Archtecture (PCA)に対して,設計法および検証法を考案した.従来の経験より基本的な動作を行う回路のライブラリを作成しており,それらを一つのモジュールとしてGUI(グラフィカルユーザインターフェース)を用いて配置し,各モジュール間の動的な配線を自動的に行うツールを開発した.この自動化された設計手法については文献[1]で研究成果報告を行った.今後論文[2]をはじめ多くの例題回路について提案手法を適用し評価を行う予定である.また,PCAについてはシミュレーションを用いても動作確認できない場合が多く,厳密なタイミング解析を行う方法を提案し,現在実装を行っている.提案検証アルゴリズムは,回路のすべての論理素子に個別の遅延情報付で与えられ,その上で記号シミュレーションを実行する.その結果と回路仕様とを比較することにより,設計された回路が回路仕様を満足するかどうかを形式的に検証することが可能となった.
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