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2003 年度 実績報告書

オンチップマルチプロセッサにおける共有変数用キャッシュの開発

研究課題

研究課題/領域番号 14780227
研究機関九州工業大学

研究代表者

山脇 彰  九州工業大学, 工学部, 助手 (10325574)

キーワード共有変数 / 同期通信 / キャッシュアーキテクチャ / オンチップマルチプロセッサ
研究概要

研究概要:
共有変数に同期を付加し(同期共有変数),より効率的な並列処理の実現を図る研究がある.同期共有変数を介した通信は同期と同時に実行され,それをスコープとした統一的で単純かつ高性能な同期通信手法が提供される.そのような並列処理をサポートする機構として,マルチプロセッサオンチップ(MOC)における共有変数キャッシュ(TSVMキャッシュ)を提案した.TSVMキャッシュは従来のデータキャッシュの一部に組み込まれ,同期共有変数をキャッシングする.同期共有変数による同期通信はTSVMキャッシュ間の一貫性制御により暗黙的に行われる.本研究では,TSVMキャッシュをハードウェア記述言語(VHDL)で開発し,その効果を明らかにした.
研究経過および成果:
平成14年度にTSVMキャッシュの基本設計を終え,その概要と性能見積もりをICPAD2002(平成14年12月)で発表した.平成15年度でTSVMキャッシュの詳細な論理設計をVHDLで行い,それを搭載したMOCのシミュレータを構築した.そのシミュレータを用いてTSVMキャッシュの性能等をサイクル精度で詳細に評価した.WEPA-1(平成16年2月)では,TSVMキャッシュのハード量をFPGAに実装して見積もり,従来の同期通信手法に対するTSVMキャッシュの効果も明らかにした.そこでは,従来のキャッシュに対し,TSVMキャッシュのコントローラは非常に小さく,キャッシュ全体のハード量は79%しか増加しないことがわかった.さらに,従来の同期通信手法がTSVMキャッシュにより最大で約15倍高速化された.火の国シンポジウム(平成16年3月)では,その結果に加え,応用プログラムにおけるTSVMキャッシュの効果も明らかにした.PDCN2004(平成16年2月)では,TSVMキャッシュの高性能化に対する3つの工夫を評価し,その効果を明らかにした.

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Akira Yamawaki, Masahiko Iwane: "Organization of Shared Memory with Synchronization for Multiprocessor-on-a-chip"9^<th> International Conference on Parallel and Distributed Systems (ICPADS 2002). 83-90 (2002)

  • [文献書誌] Akira Yamawaki, Masahiko Iwane: "Implementation and Evaluation of Novel Cache Architecture for Communicating Shared Variable with Synchronization on a SOC-multiprocessor"1st Workshop on Embedded Parallel Architectures (WEPA-1). 3-8 (2004)

  • [文献書誌] Akira Yamawaki, Masahiko Iwane: "EVALUATION OF MECHANISMS INTRODUCED TO IMPROVE PERFORMANCE OF TSVM CACHE"The IASTED International Conference on PARALLEL AND DISTRIBUTED COMPUTING AND NETWORKS (PDCN2004). 502-507 (2004)

  • [文献書誌] 山脇 彰, 岩根 雅彦: "TSVMキャッシュの効率的な一貫性制御"火の国シンポジウム2004 予稿集. B-3-4 (2004)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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