研究概要 |
近年注目されているコンポーネントベースのソフトウェア開発(Component-based Development ; CBD)では,既存コンポーネントの利用により高品質・高生産性が期待されている.従来の開発形態同様,コンポーネントベースソフトウェア開発でも設計などの作業を行うが,既存コンポーネントの利用が重要な位置を占めるのにも関わらず,設計作業とコンポーネントの探索作業がうまく融合されていない. 本研究は,トップダウンとボトムアップのプロセスの融合を目的とし,それを可能とする支援ツールのプロトタイプの作成を行った.具体的には,オブジェクト指向に基づいた設計を行っている際,容易にソフトウェア部品(クラス)を検索できるようなツールのプロトタイプ,つまり,オブジェクト指向設計用のエディタに統合されたソフトウェア部品検索システムを構築した.本検索システムでは,クラス図を作成している過程で,エディタの中から直接部品を検索できる.設計途中で開発者が作成しているクラス図の一部を検索キーとして用いて検索を行い,その検索結果としてJavaのクラスを得る.開発者はさらに,検索結果として得たクラスのうち,再利用が行える可能性があるかどうかを判断し,再利用できるならクラス図に取り込む.また,検索の面から考えたとき,従来のキーワードに基づいた検索では,「意味」を十分扱っていなかった.そこで,本研究では,コンポーネント検索を視野に入れて,Semanticウェブを用いて,Web上のサービスを検索するシステムの試作も行った.
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