研究概要 |
1.本研究は,コード移動に基づく最適化一般に対して,データフロー解析の共通な枠組みを,カスタマイズしやすい形で実現する.本研究の目的は次のとおりである. i.オブジェクト指向記述が可能な関数型言語によって,コンポーネントからなる変更が容易なコンパイラを記述する. ii.コンパイラの各コンポーネントを組み合わせて,基本最適化や新しい最適化を実現する. iii.VLIWアーキテクチャ用の最適化や並列プログラム用の最適化を実現する. 2.平成15年度に得られた成果は次のとおりである. i.従来,計算コストが大きかった多重支配節を効率よく計算する手法を開発した. ii.iの手法を発展させて,必要に応じて効率よく冗長な式を発見する質問伝播という手法を開発した. iii.VLIWアーキテクチャの1種であるItanium上で,レジスタローテーションの巻戻しを行うことによって,ソフトウェアパイプライニングにおける投機実行失敗のペナルティを小さくする手法を開発した.
|