本研究は、高品質なリアルタイムシステムを短期開発を可能にするために、テスト・検証の側面と再利用開発の側面に着目している。 従来のテスト・検証に関して、リアルタイムシステム特有の割込み、優先度に関するテストが確立されてない問題、再利用開発に関して、状態図に関する再利用技術が確立されていない問題がある。本研究では、これらの問題を解決するために、形式言語の一つであるカラーペトリネットの拡張、プログラムスラィシング技術のカラーペトリネットへの応用を行う。これらの要素技術の確立により両方の側面の問題解決を目指す。 本年度は、(1)方法の提案、(2)システム開発、(3)評価方法の検討について計画した。 (1)方法の提案:カラーペトリネットのスライシング方法、優先度を考慮したリアルタイムシステム開発方法、リアルタイムシステム特有のスケージュリングを考慮したテスト法について提案を行った。 (2)システム開発:方法を評価するために、プリミティブなシステムを作成した。 (3)評価方法の検討:問題点解決のみを表す簡単な例題を作成し、評価方法の検討を行った。 以上の研究について、情報処理学会ソフトウエア工学研究会で二回発表を行い、情報処理学会論文誌に採録が決定されている。さらに、産学協同の研究の場である組込みワーキンググループ、組み込みソフトウエア試験標準化委員会の活動に積極的に参加し、本研究に対し貴重な情報を得た。
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