コンテクスト情報に基づく情報アクセス空間は、ユーザの情報アクセス活動を支援するための3次元仮想空間である。コンテクストは、独立した仮想空間として3次元オブジェクトとして実体化される。ユーザは、外部からコンテクスト空間の中を覗いて見たり、内部に入り詳細・関連情報へのリンクを辿れる。このような情報アクセス空間を実現するために、(1)空間管理機構(空間の埋込、空間移動)と(2)情報空間自動生成機構により、データベースに格納されているコンテクスト情報とユーザの位置に基づき、必要な情報空間を自動生成するための機構を構築した。これにより、ユーザの情報アクセス活動(ナビゲーション、パスQuery言語による情報探索など)に応じて、動的に情報空間を生成することを可能とした。この成果は、第12回European-Japanese Conferenceにおいて発表した。 また、提案したフレームワークを応用し、ギリシャ国立研究所で開発されたSISに基づく博物館情報管理システムCLIOにおいても、同じフレームワークを用いて情報空間を構築できることを示した。 コンテクストの関係を表現するための、コンテクスト空間の空間配置に関しては、多摩美術大学・須永教授等の研究チームと共に、物語をコンテクストとしてとらえ、筆者の想定したストーリを展開するコンテクスト、読者の理解過程を表現するコンテクストなど、同一対象を異なるコンテクストで表現することについて検討した。これに関しては、日本デザイン学会第49回研究発表大会において発表した。
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