研究概要 |
14年度には対話解析のための基礎データの収録とコーパス化のための機材準備及び人が旅行先を決定するための観光イベントをWWW上から抽出するための基礎実験を行った.コーパス化の対象となる対話は,互いに親しい話者2名とコーディネータ役のそのタスクのエキスパート1名の計3名の被験者で構成される3者対話であり,話者2名が与えられたタスクに対してゴールに到達し合意するまでの対話の映像及び音声を収録する.このような映像・音声を収録するには,複数の映像・音声チャネルを同期させて収録し,分析できる必要がある.本年度はこの収録データを蓄積するHDDアレイと分析のための計算機を導入した.更に,既に収録済みの3者対話コーパスにおいてコーディネータ役の介入発話を更に,話者からの質問などに回答する受動的な介入と,コーディネータ役自発的な介入とに分類した.自発的な介入発話は合計4つの既収録コーパス中の全介入発話552回中約18%にあたる98発話確認された.現在,これらの自発介入発話の分析を進めているところである. 本研究で目標とするネットワーク会話支援エージェントを実現するためには,システムの介入発話を生成できる必要がある.14年度には,システムが推薦発話を生成するための観光イベント情報を抽出することを試みた.観光イベントは周期的に行われるものがあり,そのイベントに関係する単語は新聞記事等に周期的に出現すると考えられる.11年分の新聞記事データからイベント単語の周期性を見つける実験を行った.具体的にはイベント単語の月ごとの出現頻度(132か月分)を入力として,その自己相関をとることで周期性を抽出した.その結果,「山鉾巡行」や「お水取り」などの毎年同時期に行われる観光イベントに関して12ヶ月毎の周期性が現れることが確認された.
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