1.新聞記事データベースの音声言語化の検討 テキストとして表現されたコンテンツとして、新聞記事(毎日新聞1999年度分)を取り上げ、音声言語に変換する際に問題となる表記に関して、特に記号(例えば、丸括弧、かぎ括弧、二重かぎ括弧、中点、疑問符など)について、使用される意味およびその頻度を整理し、具体的にどのように音声化するかについて検討を行った。その結果、記号を単に無視して読み上げるのが妥当な場合、対となる記号に囲まれた中身に適切な説明語(接続詞、数詞など)を付加する必要がある場合、音声化に際して記号の前後に韻律的な変化(強調、語尾の抑調の上げなど)を伴う必要のあるもの、等に整理ができた。 2.Webコンテンツとの連携 音声言語によるインタフェースを実現するため、VoiceXMLを用いたアプリケーションを作成した。Webコンテンツとの連携には、PHP処理系により記述し、音声での情報交換のために、VoiceXMLを動的に生成する仕組みを確立した。具体的なアプリケーションとして、独自のWebサービスであるアンケート作成・収集システムのデータベースとの直接的な連携を行う音声によるアンケート収集システム、および既存のWebサービスとの連携の例として、音声による列車運行・乗換案内システムを作成した。これらはデータ(知識)に基づく音声合成と音声認識を行うものであるが、特に複数の音声対話戦略に基づいたシステムを構築し、音声メディアの抱える利点と弱点とに関する比較・評価を行った。
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